「AIで作成」と書けば安心、ではない

景品表示法が問題にするのは、AIを使ったかどうかではありません。商品やサービスの内容を、実際より著しく優れているように見せる表示(優良誤認)かどうかです。ですから「AIで作成」と書けば安心、書かないと即違反、という単純な話ではない、というのが私の理解です。

図1: 問われるのはAIの使用ではなく、表示が実物と合っているかどうか

現場で触れやすい3つの場面

道の駅や観光の現場なら、次のような場面が心配です。

  • 商品写真をAIで生成する:お弁当のPOPに、実物より具だくさんの盛り付け画像を載せる。実物を見たお客様は「違う」と感じます。
  • パンフレットの文をAIに任せる:「創業100年」「地元の人が通う名店」など、確認していない言い回しがそのまま入る。
  • AIで口コミを作る:実在しないお客様の声は、表示への信頼を根本から損ないます。

現場で多いのは悪意ではなく、「AIが出してくれた文章だから」と確認を飛ばすことです。表示を後から直すより、作る流れの中に「事実を確かめる担当」を1人決めておくほうが効きます。担当は、売り場や加工の現場を一番よく知る店長や加工担当が向いています。公開前に実物と並べて見る時間を、5分だけ取りましょう。

判断の分かれ目は、その画像を「商品そのもの」として見せるかどうかです。雰囲気を伝えるイラストなら「イメージです」と添えれば足りる場面もありますが、商品を写した写真として見せるなら、実物を撮影したものを使うのが基本です。つまずきやすいのは注記の小ささで、極小の文字で隅に置いても、お客様の目に入らなければ意味が薄くなります。注記は商品名と同じ視線の高さに、読める大きさで置いてください。

公開前の3つの問いと、明日の一歩

図2: 公開前に確認する3つの問い

  1. お客様はその表示を見て「実物はこうだ」と思うか
  2. 実物との違いを、自分の言葉で説明できるか
  3. 産地・年数・受賞などの根拠を示せるか

明日やれる一歩:売り場のPOPやネットの商品ページから、AIで作った画像か文を1つ選び、実物と並べて3つの問いに答えてみてください。差があれば、小さな注記で済ませず実物の写真や確認済みの文言に差し替えるのが安全です。

なお、ここで述べたのは一般的な考え方です。個別の判断は消費者庁の資料や専門家に確認してください。AIは、事実を確かめる習慣があれば、売り場づくりの強い味方になります。