ニュースの内容
10月12日、IMF(国際通貨基金)のゲオルギエワ専務理事が、AIが世界の雇用に与える影響を「ゆっくり進む津波」にたとえたと、CNBCが報じています。仕事の約4割が何らかの形で影響を受けるとされ、とくに若い新卒層への影響が大きいという指摘です。「ある日突然仕事が消える」というより、「じわじわと仕事の中身が変わっていく」という話だと受け取れます。ただし、これは世界全体の見通しで、新潟の各業種にそのまま当てはまるとは限りません。
新潟の現場にとっての意味
前向きに見れば、人手不足の現場には追い風です。道の駅の直売所なら、商品POPの文案、SNS投稿、問い合わせへの返信といった「書く作業」をAIに下書きさせ、スタッフは接客や商品の見せ方に時間を使えます。
気をつけたいのは、若手が担ってきた入力・下書き・集計といった「入口の仕事」がAIに置き換わりやすい点です。若手が経験を積む場が減ると、将来の担い手育成に響きます。若者の県外流出が課題の新潟では、地元に残る若手に「AIを使いこなす役」を任せる発想が現実的でしょう。
現場目線の考察
AI導入で差がつくのは、道具の性能より「仕事の棚卸し」をしたかどうかだと感じます。たとえば6次産業の加工品づくりには、注文メールの整理、原価計算、パッケージ文言の案出しなど、毎週同じ形で繰り返す作業があります。まずそれを書き出し、AIに任せる部分と人が判断する部分に分けます。
宿泊施設の繁忙期の朝を想像してください。口コミへの返信が溜まっている場面で、AIに返信案を作らせ、支配人が一言添えて送る。10分かかっていた作業が数分になり、浮いた時間をお客様のお出迎えに回せます。
つまずきやすいのは、いきなり全部を任せようとすることです。最初は1つの作業だけに絞り、結果を必ず人が確認する前提で始めてください。
明日やれる一歩
明日、スタッフ全員に「今週やった作業のうち、毎回ほぼ同じ形で繰り返すもの」を付箋1枚に1つ書いてもらい、5分で集めてみてください。その中から1つ選び、無料で使えるAIに下書きをさせて、これまでの所要時間と比べます。
津波そのものは止められなくても、どの高台に登るかは自分たちで決められます。